夕食の準備をしようとコンロのつまみを回したのに、カチカチ、チチチと音がするだけで火がつかない。
あるいは、火はついたのに手を離した途端に消えてしまう。
そんな場面に出くわすと、「故障したのでは?」「修理にいくらかかるのだろう」と、一気に不安になるものです。
ただ、現場の経験から言うと、コンロの火がつかない原因の多くは、故障ではなく「電池」「汚れ」「部品のズレ」といった、自分で確認できる範囲のものです。
慌てて業者を呼ぶ前に、確認する順番を知っておくだけで、費用をかけずに解決できるケースは少なくありません。
概要
- 疑うべき3つのポイント
- それでもつかないときの確認先
- ガス臭いときの対処と、修理・買い替えの目安
この記事では、プロパンガス業界での実務経験をもとに、火がつかないときの原因を「確認しやすい順」に解説します。
なお、機種やメーカーによって構造や操作方法が異なるため、実際に作業する際は、必ずお使いのコンロの取扱説明書も合わせて確認してください。
コンロの火がつかないとき、まず疑う3つのポイント
最初に、症状から原因をおおまかに絞り込んでみましょう。
音の出方や火の消え方で、疑うべき場所が変わってきます。
| 症状 | まず疑う原因 |
|---|---|
| カチカチ・チチチという音がしない、または弱い | 電池切れ・電池の種類 |
| 音はするが、点火しない | バーナーキャップのズレ・濡れ・汚れ |
| 火はつくが、つまみを離すと消える | 立ち消え安全装置の汚れ・電池の消耗 |
| どの口もつかず、他のガス機器も使えない | ガスメーターの遮断・ガス切れ |
上の表を参考に、以下の順で確認していくのがおすすめです。
電池を確認する(マンガン電池ではなくアルカリ電池を使う)
コンロの火がつかないとき、最初に確認したいのが電池!
ガスコンロは、ガスで燃えているだけの器具だと思われがちですが、点火するための火花を飛ばしたり、安全装置を動かしたりするために、電池の力を使っています。
電池が弱ると、点火の火花が弱くなって火がつかなくなったり、安全装置が正しく働かなくなったりします。
目安になるのは、つまみを回したときの点火音です。「カチカチ」「チチチ」という音が聞こえない、あるいは明らかに弱々しい場合は、電池切れを疑いましょう。
ここで注意したいのが、電池の種類!
電池を入れ替えるときは、マンガン電池ではなく、アルカリ電池を使うようにしてください。
最近のコンロは、立ち消え安全装置やSIセンサーなど、安全のための機能が多く搭載されており、その分、電池にかかる負担も大きくなっています。
マンガン電池は、アルカリ電池と比べて電圧が低下しやすく、パワーが不足ぎみ。
見た目は使えているようでも、点火が不安定になったり、安全装置が正しく動作しなかったりする原因になります。
多くの機種の取扱説明書でも、アルカリ乾電池を使用するよう指定されています。
電池を交換するときの注意点
- 新しい電池と古い電池を混ぜて使わない
- プラスとマイナスの向きを間違えない
- 電池のサイズは機種によって異なる(単1形や単2形など)ため、取扱説明書で確認する
- 電池交換のサインが表示される機種では、表示が出たらすぐ交換する
- 買い置きして長く日が経った電池は弱ってる
電池を新しいアルカリ電池に交換して火がつくようになれば、これで解決です。
それでもつかない場合は、次のポイントに進みます。


ビルトインコンロの電池は少しややこしい位置にあります。
カンガルーポケットの蓋を外したら、引き出しがあり、その中にあります。
立ち消え安全装置の汚れを確認する
次に疑いたいのが、立ち消え安全装置の汚れ!
立ち消え安全装置とは、煮こぼれや風などで火が消えたときに、ガスが出続けないよう、自動的にガスを止める安全装置のことです。
炎の熱や炎そのものを検知するセンサーが、バーナーの近くについていて、機種によって熱電対やフレームロッドなど、方式が異なります。
このセンサーに、煮こぼれや油汚れが付着していると、炎をうまく検知できなくなり、コンロ側は「火がついていない」と判断してしまうため、安全のためにガスの供給を止めてしまうのです。
典型的な症状が、
「点火の瞬間は火がつくが、つまみから手を離すと消える」
これは、故障ではなく、むしろ安全装置がきちんと働いている証拠でもあります。
汚れを落とすときの手順。
- 必ず、コンロが完全に冷えていることを確認する
- センサー部分を、乾いた綿棒や、固く絞った柔らかい布で、軽く拭き取る
- 汚れがこびりついている場合は、使い古しの歯ブラシなどでやさしくこする
- センサーを強く押したり、曲げたり、傷つけたりしない
センサーはとてもデリケートな部品なので、力を入れすぎると、位置がずれたり、破損したりして、かえって使えなくなってしまいます。
洗剤を直接吹きかけるのも、内部に水分が入る恐れがあるため避けましょう。
掃除をしたあとは、十分に乾いてから、改めて点火を試してください。


少しわかりにくいけどボールペンの先の様な形をしているよ!
バーナーキャップのズレを確認する
三つ目のポイントが、バーナーキャップのズレ!
バーナーキャップとは、炎が出る部分に載っている、丸い金属製のフタのような部品のことです。
ここがほんの少しズレていたり、正しい向きで載っていなかったりするだけで、火がつかなかったり、炎が不安定になったりします。
ズレると火がつかなくなる理由は、点火プラグから飛ばした火花が、ガスの出口にうまく届かなくなるため。
バーナーキャップは、ガスと空気を適切に混ぜて、均一に炎を広げる役割も担って、位置がずれると、ガスの流れが乱れて、点火しにくくなったり、炎が片寄ったりします。
この部品は、調理中の吹きこぼれの掃除や、水洗いのあとに、元の位置へ戻し損ねてズレてしまうことが、特に多くありので、以下の点を確認してみてください。
- バーナーキャップが、バーナーヘッドの上にきちんと載っているか
- キャップの向きや、突起・溝の位置が、正しく合っているか
- キャップの小さな穴(炎口)が、汚れや焦げつきで詰まっていないか
- 掃除のあと、水分が残ったまま取り付けていないか
水濡れも、火がつかない原因になります。
吹きこぼれや水洗いのあと、バーナー部分が濡れたままだと、点火しにくくなるので、その場合は、キャップとバーナーヘッドを外して、よく乾かしてから、改めて正しい位置に取り付けてください。


矢印の位置は同じ場所に合わせるんだよ
それでもコンロの火がつかないときに確認すること
電池・汚れ・ズレを確認しても火がつかない場合は、コンロ本体ではなく、ガスの供給側に原因がある可能性があります。
ここからは、その確認ポイントを見ていきましょう。
ガスメーターの遮断を確認する
コンロだけでなく、給湯器など、家じゅうのガス機器が使えない場合は、ガスメーターが「遮断」している可能性があります。
ガスメーターには、安全のために、異常を検知するとガスの供給を自動的に止める機能がついて、メーターには、遮断を知らせるランプがあり、赤いランプが点滅している場合は、遮断されているサインです。
ガスメーターが遮断される主な理由
大きな地震が起きたとき
一定以上の揺れを検知すると、二次災害を防ぐために、ガスが自動的に止まります。
ガスを使いすぎたとき・つけっぱなしにしたとき
通常より多い量のガスが流れ続けていたり、長時間使用し続けていたりすると、異常と判断されて止まることがあります。
ガス漏れの疑いがあるとき
ガスホースが外れている、器具の栓が開きっぱなしになっている、配管から微量のガスが漏れているなど、通常とは違う流れ方を検知した場合です。
ガスの圧力が低下したとき
供給されるガスの圧力が、一定以下に下がった場合にも、安全のために遮断されます。
ガス圧力が低下はガス切れの可能性も
遮断の原因が分からないまま復帰させるのは危険!
まず、すべてのガス機器の火を消し、ガス臭くないか、ホースが外れていないかを確認しましょう。
そのうえで、問題がなければ、メーターの復帰手順を行います。
一般的な流れは次のとおりですが、メーターの機種によって手順は異なるため、メーターに記載されている案内も必ず確認してください。
- すべてのガス機器を止める(ガス栓も閉める)
- メーターの復帰ボタンをしっかり奥まで押す
- しばらく待つ(最近のメーターは30秒)
- ランプが消えれば復帰完了
黒〇が復帰ボタン

復帰させても、すぐにまた遮断してしまう場合は、ガス漏れなどの異常が潜んでいる恐れがあります。その場合は、無理に復帰を繰り返さず、ガスの使用を中止して、契約しているガス会社に連絡してください。
ガス漏れがある場合は、安全装置がはたらいて、復帰できなくなってるよ!
ガス切れ・ガスの供給を確認する
メーターに異常がない場合は、ガスそのものが来ていないケースも考えられます。
プロパンガスの場合は、ボンベの中のガスが空になる「ガス切れ」が起きることがあり、給湯器など他のガス機器も使えなくなるため、家じゅうでガスが使えない場合は、まずボンベの残量を疑ってみてください。
ボンベが2本並んで設置され、自動的に切り替わるタイプの場合は、切り替え装置の表示で、残量を確認できるものがあります。
配送が遅れている、うっかり交換を忘れていたといった場合は、ガス会社に連絡すれば、対応してもらえます。
コンロだけならガス切れってほぼ起こらないのですが、給湯器が有って寒くなり、使用量が一気に増えたり、家族が帰ってきて、普段は2人しかお風呂に入らないのに、4人5人と入浴する人が増えても、ガス切れの可能性はあがります。
ガス会社に、一週間家族が増えます!
この一報入れておくだけでガス切れは回避できるので、遠慮なく電話しましょう!
シャワー中に水になったら嫌ですもんね。
また、次のような単純なケースも意外と多いものです。
- コンロの手前にあるガス栓や、ボンベの元バルブが閉まっている
- 引っ越し直後で、まだ開栓の手続きが済んでいない
- 都市ガスの場合は、工事や契約の関係で、供給が止まっている
ガス栓・元バルブを開け忘れていないか、確認するのも良いですが、ガス会社に電話して対応してもらいましょう!
ガス臭いときの対処と、修理・買い替えの目安
火がつかないのと同時に、ガスのにおいがする場合は、すぐに別の対応が必要です。
次の手順を、落ち着いて行ってください。
- 火の気を一切使わない(ライターやマッチ、スイッチの操作も避ける)
- 換気扇や電気のスイッチは、火花が出る恐れがあるため、触らない
- 窓や扉を開けて、空気を入れ替える
- ガス栓やボンベの元バルブを閉める
- 屋外の安全な場所から、ガス会社や保安の窓口へ連絡する

換気しないと!って思って換気扇を回すのは
絶対ダメ!
電気系統のスイッチを入れた瞬間が危険なんだ
においがしないからと安心せず、においが少しでも気になったら、早めに専門業者へ相談することが大切です。
>>>ガス警報器は必要?都市ガス・プロパンガスで設置義務や場所はどう違う
また、これらを確認してもコンロの火がつかない場合は、部品の故障が考えられます。
ガスコンロには、安全のための設計上の標準使用期間があり、一般的に10年が目安。
使用年数が長い場合は、修理より買い替えを検討した方が、結果的に安全で、費用も抑えられるケースも多いでしょう。
賃貸の場合は、勝手に交換や修理を進めず、まず大家さんや管理会社に相談してください。
購入してもネットが最安なので、高すぎると感じるならネットで買いましょう!


よくある質問
Q. 点火音(チチチ)はするのに、火がつきません。何が原因ですか?
電池ではなく、バーナーキャップのズレや汚れ、濡れが原因のケースが多くあります。
キャップを外して乾かし、正しい位置に取り付け直してみてください。
Q. 片方のコンロだけ火がつかない場合は?
他のコンロが使えるのであれば、ガスメーターやガス切れではなく、その口のバーナーキャップやセンサー部分の汚れ・ズレが原因と考えられます。
Q. 電池を替えても火がつかないのは、故障ですか?
すぐに故障と決めつけず、立ち消え安全装置の汚れやバーナーキャップのズレ、ガスメーターの遮断を順に確認してください。
それでも直らない場合に、修理を検討しましょう。
まとめ:コンロの火がつかないときは、慌てず順番に確認を
一言でまとめると
ガス屋に電話しろ!
で片付きますが、来てもらうのに、一時間待ちとか嫌ですよね。
「直ぐに使いたいのに!」
下のまとめですむならその方が速いです。
コンロの火がつかないと、つい焦ってしまいますが、原因の多くは、電池の種類や汚れ、バーナーキャップのズレといった、身近なところにあります。
まずは電池をアルカリ電池に替え、次に立ち消え安全装置の汚れ、バーナーキャップのズレを順番に確認してみてください。
それでもつかないときは、ガスメーターの遮断やガス切れといった、ガスの供給側を疑ってみましょう。
もし、においがするなど、少しでも不安を感じる場面があれば、無理に自分で解決しようとせず、ガス会社や専門業者に頼って大丈夫です。
普段から、コンロ周りをこまめに掃除し、電池を早めに交換しておくだけで、いざというときのトラブルは、ずいぶん減らせるはずです。



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