「プロパンガス」という言葉は知っていても、実際にどんなガスなのか?都市ガスと何が違うのか?きちんと説明できる人は意外と少ないものです。
特に賃貸物件を探しているときに設備欄で「プロパンガス」の文字を見て、少し不安になった経験がある人もいるのではないでしょうか?
実際、都会から地方に引っ越してきて、入居開栓の時、都市ガスしか知らない方もおられました。
この記事では、プロパンガス業界での実務経験をもとに、プロパンガスの基本をゼロからわかりやすく解説します。
概要
・プロパンガスの基礎知識
・供給の仕組み
・業界経験者からのポイント
・メリット・デメリット
プロパンガスは「LPガス」のこと

先に結論からお伝えすると、プロパンガスとは、液化石油ガス(LPガス)のうち、家庭で使う都市ガスの代わりとして供給されるガスのことです。
「プロパンガス」と「LPガス」はほぼ同じ意味で使われており、ニュースや契約書ではLPガス、日常会話ではプロパンガスと呼ばれることが多いだけで、指しているものはほぼ同じと考えて問題ありません。
都市ガスのように地下のガス管から送られてくるのではなく、ボンベ(容器)に詰めた状態で各家庭に配送されるのが最大の特徴です。
プロパン(C3H8)ブタン(C4H10)を主成分とする液化石油ガス
(LPG:Liquefied Petroleum Gas)の略。
家庭用はプロパン・プロピレンが主成分で少量のブタン・ブチレンを含む混合物
1910年アメリカの科学者が発見
1911年実用化
1913年液化・製造方法特許取得
1929年日本に飛来したドイツの飛行船に補給したのが初とされる
1938年自動車用となり
1950年以降容器詰めプロパンが一般に
プロパンガスの仕組み
プロパンガスは、プロパンという成分を主体とした気体に、圧力をかけて液体の状態にしたものです
液体にすることで体積が小さくなり、ボンベに詰めて運べるようになります。
家庭で使うときは、ボンベの中で再びガス(気体)に戻り、配管を通ってコンロや給湯器に届く仕組みです。

容器内の上が気体、下が液体って感じなんだ。
-42度以上の温度で気化するので、極寒の地でも気化し、点火することが可能だよ!
電気やガス管などのインフラ整備が難しい地域でも使えるのは、この「ボンベで運べる」という性質があるためです。
都市ガスとの違い(概要)
プロパンガスと都市ガスの一番の違いは、供給方法で
- 都市ガス
地下のガス管から供給される。
主に天然ガスが原料 - プロパンガス
ガス会社がボンベを配送し、各家庭のボンベに補充する。
主にプロパンが原料
供給方法が違うため、料金の仕組みや契約先も異なります。
この違いについては別記事で詳しく解説していますので、そちらも合わせてご覧ください。

プロパンガスが使われている地域・住宅タイプ
プロパンガスは、都市ガスの導管が整備されていない地域で広く使われています。
具体的には、郊外や地方、山間部の戸建て住宅のほか、都市部でも導管が届いていない一部のマンション・アパートで採用されているケースがあります。
都市ガスの導管を新たに敷設するには多額の工事費用がかかるため、人口が少ないエリアや、住宅が点在している地域では、初期投資が少なく済むプロパンガスの方が普及しやすいという背景があったりします。
また、新築の一戸建てや小規模なアパートでは、建築コストを抑える目的でプロパンガスが選ばれることもあり、都市ガスの導管を新規に引き込む工事費は、建物のオーナーや事業者にとって決して小さくない負担になるため、初期費用の安さを優先してプロパンガスを採用するケースは今でも珍しくありません。

まとまった団地をまとめて都市ガスに切り替える工事の時は、通常よりも安く工事ができるよ!
「都市部だからプロパンガスのはずがない」と思い込んでいる人もいますが、実際には都市部の賃貸でもプロパンガス物件は珍しくなく、特に都市ガスの導管網から少し外れた立地や、比較的新しく開発されたエリアでは、都市部であってもプロパンガスが採用されていることがあるため、物件を探す際には設備欄を必ず確認することをおすすめします。
業界経験者だから分かるポイント
現場でよくあるのが、「賃貸探しの段階でガスの種類をあまり気にしていなかった」というケースです。
不動産情報サイトの設備欄には「プロパンガス」または「LPガス」と表記されていることが多いのですが、見慣れない言葉のため見逃しますよね。
また、同じ「プロパンガス」でも、契約しているガス会社によって料金体系がまったく異なります。
都市ガスのように地域でほぼ料金が統一されているわけではないため、「プロパンガスだから高い/安い」と一括りに判断できない点も、実務の中でよく感じる部分です。
今すぐ確認すべきこと
自分の家がプロパンガスかどうか分からない場合は、以下の方法で確認できます。
- 検針票や請求書に記載されているガス会社名を確認する
- キッチンやベランダ付近に設置されている緑色・グレーなどのボンベの有無を確認する
- 賃貸契約書や重要事項説明書のガス設備の欄を確認する

今使ってるガス器具に12Aや13Aと記載があれば都市ガス専用なんだ
契約中のガス会社が分かれば、その会社の料金表と、後述する平均料金を見比べることで、自分の家のガス代が適正な水準かどうかを判断する材料になります。
注意点
プロパンガスの料金は法律で定価が決まっているわけではなく、ガス会社ごとの自由料金制なので、同じ使用量でも会社によって金額に差が出ることがあります。
地域や契約条件によっても変わるため、この記事内の説明はあくまで一般的な仕組みの解説として捉えてください。
プロパンガスのメリット・デメリット
メリット
- 災害時の復旧が早い
ボンベ単位で供給されるため、地震などで地域のインフラが被害を受けても、都市ガスの導管復旧を待たずに使えることが多い - 導管がない地域でも使える
都市ガスの導管が整備されていない郊外・地方・山間部でも供給できる - 火力が強い
プロパンガスは都市ガスより熱量が高い傾向があり、お湯が早く沸く、コンロの火力が強いと感じることがある - 初期工事費が安い
新築時に都市ガスの導管を新たに引き込むより、プロパンガスのボンベ設置の方が初期費用を抑えられる場合がある
デメリット
- 料金が自由料金制
ガス会社ごとに料金を自由に設定できるため、契約している会社によって金額差が大きくなりやすい - 全体的に割高な傾向
一般的に、同じ使用量で比較すると都市ガスより料金が高くなる傾向がある - ボンベの配送スペースが必要
ボンベを設置するスペースが敷地内に必要になる - 会社を自分で選びづらいケースがある
賃貸物件などでは、あらかじめ決まっているガス会社と契約する形になり、入居者側で自由に会社を選べないことが多い
これらのメリット・デメリットを踏まえると、「プロパンガスだから一方的に不利」というわけではなく、消費者からすれば契約しているガス会社の料金が適正かどうかが満足度を左右する部分じゃないでしょうか。
プロパンガスとは何かを知って、暮らしを見つめ直すきっかけに
ここまで、プロパンガスとは何か、都市ガスとどう違うのか、そしてどんな地域や住宅で使われているのかを見てきました。
「プロパンガス」という言葉は聞いたことがあっても、その中身まで知っている人は意外と少ないものです。
今日知ったことをきっかけに、自分の家がどちらのガスを使っているのか、一度確認してみてはいかがでしょうか?


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